関係者インタビュー第2弾・後編!移住連代表理事 鳥井一平さん!

みなさん、こんにちは。

前回に引き続き移住連代表理事鳥井さんのインタビュー記事(後編)です!

後編では、主にフォーラムについてお聞きしていきます。

 

前編がまだの方はこちらへ↓
tokyoforum2019-student.hatenadiary.jp

 

 

全国フォーラムの目的

-今回の全国フォーラムを通して、何に目的意識を持ってやられていますか?

「全国フォーラムごとに違うんだけど、1つは地域のネットワークをつくるということ。九州だったら九州のネットワーク、名古屋だったら東海ネットワークっていうのをつくってもらうとか、そういうのを意識的にやってます。」

 

-今回、2019年は東京で開催ということですけど、前回などと比較してどうですか?

「やはり政治的な目的があるわけですよ。政治的な目的というとおかしいけど、政治日程的に、政策提言だとかそういうのを考えたので、それと、現政権が東京オリンピックパラリンピックを焦点にするだろうなって思ってたら案の定、2019年に天皇退位、即位とか、そういうのを全部日程決めてきたわけだよ。そしたらぴったり合ったわけね。目的意識を持ってやって、ぴったり予想が当たったという感じ。」

 

今回のフォーラムの背景には、政治に対する意識があったと鳥井さんは言います。その意味でいうと、やはり今回の東京開催は大きな意味があったようです。

 

「今の政権でそういう政策転換をしてくると思っていた。どう見ても(外国人労働者の)受け入れ拡大になるだろうという風に見てたんですよ。現場の実感から。そもそも、2008年にもう施行する予定だったわけだから、10年間先伸ばしになったわけね。2008年に短期就労制度の提言というのを出してるからね。で、「日本型移民国家」とまで言っちゃってるわけですよ。」

 

「日本型移民国家」とは、2008年に自民党国家戦略本部のプロジェクトチームが提言したもの。移民政策を通して、日本の活性化を図ろうとしたものですが、その提言から10年経って、再び「移民」に関する議論が活発になっています。しかし、2008年に「日本型移民国家」という言葉が出ていたにも関わらず、政府は移民政策という立場をとらず、あくまで「外国人労働者の受け入れ拡大」としています。

 

「だってグローバリズムだから。資本の側はグローバリゼーション(と新自由主義)なわけですよ。だから、(労働力さえ入れば)『移民』でも『移民国家』でもいい。それは大きな問題ではないわけね。(しかし、いまの社会では)「外国人労働者の受け入れ」(と呼ぶ)方が都合がいいわけだよね、(日本の)企業側としては。でも(私たちとしては)、いわゆる単一民族国家とか訳の分からないこと言われるくらいならまだいいけど、『使い捨て』を前提にして受け入れているという状況だけはどうにかしなければならない。」


「(関連して)私達が注意してるのは、(企業など資本側から言われる)サプライチェーンとか人権、SDGsとか、それもちょっと怪しいんじゃないかという気持ちは持ってるよ。グローバリゼーション(やビジネス)との関係で言うと危ないな、と。だから注意して見とかなきゃいけないって言うのはある。」

 

 

このような流れに対抗する意味でも、あえて「移民」という言葉を使っているそう。「移民」についての議論が再燃する中、今回の全国フォーラムが果たす役割はネットワークを作ること以上のものが期待されると思いました。

 

 

移住連、全国フォーラムのこれから

-鳥井さんは、今回のフォーラムの実行委員会に入られていますよね。そこでの役割はどのようなものになるのでしょうか?

「私は何やるんですかね(笑)。私はずっと下支えじゃないかな。いろいろな団体との調整とかそういうものをやるんじゃないかな。」


「まあね、もう若い世代の人たちが中心になってやっていった方がいいよね。私ももう65歳ですからね。だから、そうなっていった方がいいと思いますよ。できれば、代表理事もそろそろ、そういう人たちと交代していった方が。女性を中心にしてやるようなね。そういう風に変えていった方がいいと私は思ってます。」

 

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今回のフォーラムでは下支えの役割という鳥井さん。一方で、これからは若い世代が担っていくことに期待していることが伺えました。そして、この思いは今回の全国フォーラムにも反映しているようです。

 

-今回、東京で行われる全国フォーラムですが、私達学生ボランティアも含め、学生を中心とした若者にもひらけたイベントとなっていると思います。

「そうですね、そうならないといけないよね。そういう意味で言うと、私らの若いときはやっぱり先輩たちも懐が深かったと思います。好き勝手やらせてもらったから。かなり自由闊達に議論してましたし。」


「やっぱり、自由闊達に議論していくというのはすごく大切ですよね。いまはどうしても、討議する・議論するっていうことが抜け落ちてる。それは今の若い人たちだけじゃなくて、年配者も含めて、社会そのものが討議・議論するってことに弱い。」


「議論すると、相手に否定されているかのように受け止めてしまう人も多いよね。議論に慣れていないので。徹底した議論の場が求められているんじゃないかな。移住連の運動の中でもそうできるようにしていきたいなと思っています。」

 

 

分科会について

フォーラム当日は、メインプログラムの他に、分科会も開催されます。分野は様々で、入門編から難民・LGBTなど、移民というキーワードを中心にさまざまな課題を広く学べる場となっています。

 

-今回、「多様なルーツ」など新しい分科会も出てきましたが、関心のある分科会はありますか?

「私としては『若者』とかにすごく関心はありますよ。それから、『労働』とか『技能実習』とかは関心があるないとかじゃなくて、それは当たり前だから。」


「あと、私はね、『教育』っていうのはすごく関心あるんですよ。やっぱりそこ(教育)にかかってるから。私は今の自分の活動に関しては、やっぱり小学校、中学校、高校の先生に感謝しています。なぜ今活動しているかっていうと、これまでの教育が大きかったんだと思います。」

 

鳥井さんの育った豊中は、地域的に先進的な街だったようです。このような鳥井さんの学生時代の経験は、日本の移民・外国人労働者を取り巻く状況などへの関心につながり、さらに広く派生しているようでした。

 

 

参加を検討している方へ

-では、最後に東京フォーラムに参加しようと思っている人に向けてメッセージをお願いします。

「ぜひ参加してほしいっていうのはあるんだけど、とにかく雰囲気を見てほしいというか、一緒にその空間に来てみませんか?、っていう(気持ち)。あるいは、こういう空間いりませんか?、っていう感じ。(多様な人々で築かれる)多民族・多文化共生ってこういうことだって、それがここにありますよって。」

 

 

 多様な人が集まる「公共空間」がそこにある。当日の全国フォーラムでは、実際にそれを感じることができると思います。

 

出会い、感じ、考える。そんな空間に1度来てみませんか?

 

 

 

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鳥井さん、インタビューにご協力いただきあろがとうごいました!

 

 

 

完。

 

 

取材:松永圭造ウィリアム、Rin

編集:高野優香

 

 

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